ろじぇのにっき

アルケミスト・デザイアから見る、フィクション作品における殺人の描写について思うこと

我ながら、なんで暗い雰囲気の記事しか書けないんだろうと疑問に思います。病んでるんですかね。

 

 

と言うわけで本題。先日、グランブルーファンタジー内において、アルケミスト・デザイアというイベントが開催されました。

グラブルをよく知らない人のために簡単に解説しておくと、これは月末に開催されることが恒例となっている、シナリオを読み進めるタイプのイベント。このアルケミスト・デザイアでは、病弱な少女ミレイユが錬金術によって健康な身体を手に入れようとするところから物語が始まります。

 

実際にゲームをやれば誰でもシナリオは読めるので具体的な中身は端折りますが、ざっくりと言えばミレイユは自分の知識不足が原因で大量に人を殺してしまうんですね。で、最終的には健康な身体を手にする過程で生まれた大切な家族と共に大量殺人の罪を償う道を選ぶと、そういう話です。

 

まぁ、この記事はシナリオレビューの記事というわけじゃないので私個人の具体的な感想とかは一旦省きますが、ツイッターグラブルプレイヤーの感想や反応を読みあさったらそれはそれは賛否両論の雨嵐。話の過程で生まれた描写が尊かった一方で結末に非難が集中したことでこういった感想で埋め尽くされたわけですね。

 

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結末に関してもう少し具体的に書くと、ミレイユは罪を償う道が一段落したらいつか主人公達の旅に同行したい(意訳)ということを言い出すんですね。このゲームにおいては主人公=プレイヤーなので、言ってしまえば大量殺人者が仲間になるということになります。

この辺は生理的に受け付けない人がいる一方で、グラブルには大量に人を殺した過去を持ってる仲間キャラが既にたくさんいるのに何を今更と微動だにしてない人と二極化していますね。後者は相応の猛者なので考慮の必要は無いとして、考えるべきは前者。

 

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※これはある意味自業自得

前提として、殺人は犯罪です。なので実際にやってはいけない行為なわけですが、フィクション作品においては殺人という描写はよく使われます。サスペンスドラマなんかは殺人が話の中心になることが多いですし、身も蓋もない話をすれば勇者が魔王を倒すみたいな王道ファンタジーも見方によれば殺人です。

サスペンスドラマの場合、殺人を犯した人が主人公の刑事的な人に事実を突き止められた結果逮捕されるまでを描いてるので、殺人者が報いを受けるまでの行程を見せられることで視聴者は納得するわけです。

アルケミスト・デザイアの場合はミレイユが報いを受けてる様子が少なくともイベントシナリオの中では全く描写されなかった挙句、主人公達の仲間になりたいと俯瞰的に見ると放漫な発言したため非難が集まりました。

 

殺人を主題として扱ったフィクション作品って突き詰めると大量に出てくると思うんですが、私がアニメや漫画、ゲーム、ドラマ、映画といったものに本格的に手を出し始めた頃って殺人の是非が議論されることってそこまで多くなかったんですよね。これはインターネットがそこまで盛んじゃなかったというのもあると思いますが、それを考慮しないにしても登場人物のモラルみたいなものが重視される風潮は明らかに強まってます。

 

これはおそらく、受け手側としてはそのキャラクターにどんな物語が存在しているかよりもキャラクター単体としてどんな特徴を持ってるかが重要になってるからなんだと思います。

 

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例えば、ちょっと前に例として出した勇者が魔王を倒す王道ファンタジーの場合、勇者が魔王を倒す(≒殺す)ことで世界に平和が戻るみたいな話であれば最終的には世界は平和になりましためでたしめでたしで終わるでしょうが、裏を返せば勇者は魔王を殺してるわけで。

結局、そのキャラクターの正の面と負の面どちらが目立って見えるかによって評価は一変します。ミレイユの場合、贖罪の道を選んだことが正の面で大量殺人の過去が負の面ですね。

加えてグラブルはゲームなので、ミレイユのゲーム面での性能が良ければこの辺の評価も忘れ去られたかのように覆る可能性もあります。*1この辺はゲームならではって感じでしょうか。

 

色々長く書きましたけど、要はフィクション作品においては殺人ってだけで目くじら立てずに広い視野で物語やキャラクターを愛した方がいいと思いますよと、そういうことを言いたいわけです。

まぁ、好みの問題もあるので押し付けるつもりは毛頭ありませんけどね。

 

 

 

 

 

 

以下、グラブルアルケミスト・デザイアに対する私個人の感想。

グラブル知らない人はここまで読んでくれてありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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ミレイユとリゼットが自分の罪に対して贖罪への気持ちが軽すぎるというのが世間的では主な批判ですが、私自身そこはあまり問題じゃないと思っています。

例えばこれが主要キャラ及びそれに近しい存在に死者が出てるとかなら流石に問題視した*2でしょうが、殺されたのは所詮名無しのモブであり、サメ映画でサメに喰われる水着美女みたいな存在。シナリオ読む側のこちらからしたらそんな連中に何の感情もなく、名無しのモブの同情を煽るような展開も特別なかったため、ミレイユとリゼットの贖罪意識低すぎ問題はあまり致命的には思えません。

 

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むしろ私個人として大問題だと思ってるのは、カリオストロがあっさりとリゼット復活の手段を提示してきたこと。リゼットとの別れを窮地の中で選択したミレイユの気持ちを嘲笑うかのような展開であり、あのミレイユの涙なんだったんだよと非常にガッカリしました。あそこでリゼット復活を選ぶミレイユもミレイユだとは思うけども……

 

カリオストロのような天才学士系のキャラがシナリオをつまらなくしてくる例はテイルズとかテイルズとかテイルズとかで何度も経験してますが、今回のはまさにその典型だと思いました。

道中の話の展開が良かったという部分は世間的な評価と概ね一緒です。

 

 

 

 

 

首から血を吸われるクラリスはエロいと思いました。 

以上です。

*1:ちょうどこの記事を書いてるちょっと前にミレイユがプレイアブルキャラとして登場

*2:せいぜいクラリスがちょっと怪我した程度